くすりのPoint|不眠症治療情報提供サイト

ベルソムラ 適正使用情報

ベルソムラ投与方法Q&A

監修:久留米大学医学部 神経精神医学講座 教授 内村 直尚 先生


Q.ベルソムラ®の服用時間を指導する際に、注意すべき点はありますか?
A.
 ベルソムラ®の血中濃度半減期は10時間ですが、従来のGABA受容体作動薬とは異なる機序で作用することから、GABA系の睡眠薬と同じように半減期と効果の持続時間を推測することはできません。しかし、遅すぎる時間に服用すると、翌朝への影響が懸念されます。
 また、入眠効果発現までの時間には個人差があり、時間がかかる場合もあるようです。特に、ベルソムラ®は食事の影響により、Tmaxが遅延することが報告されています。そのため、用法・用量に関連する使用上の注意に、「食事と同時又は食直後の服用は避けること」と記載されています。

【用法・用量】
通常、成人にはスボレキサントとして1日1回20mgを、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与する。



Q.ベルソムラ®の用量が、高齢者と非高齢者で異なるのはなぜですか?
A.
 この薬剤の特徴の一つとして、成人と高齢者では投与量が異なっていることがあります。
 薬物動態試験において、同じ用量を用いた場合、高齢者では非高齢者と比較して血漿中濃度が高値を示したことと、高齢者では不眠症治療薬に対する感受性が潜在的に高いと一般的にいわれていることを考慮し、高齢者と非高齢者で同程度の曝露量が得られるように、高齢者には低用量(15mg/日)が設定されています。
 第Ⅲ相国際共同試験においては、非高齢者(20mg/日)と高齢者(15mg/日)の間で、有効性および安全性プロファイルに大きな差は認められていません。



Q.ベルソムラ®はCYP3Aの影響を受けますか?
A.
 ベルソムラ®は主に薬物代謝酵素CYP3Aによって代謝されますので、CYP3Aを阻害する薬剤と併用すると、ベルソムラ®の血漿中濃度を上昇させるおそれがあります。特に、CYP3Aを強く阻害する薬剤とは併用禁忌となっています。
 逆にCYP3Aを強く誘導する薬剤と併用すると、ベルソムラ®の血漿中濃度を低下させ、本剤の作用を減弱させるおそれがありますので、併用には注意してください。



Q.他の睡眠薬から切り替えを検討する際、注意すべき点はありますか?
A.
 ベルソムラ®は、覚醒を維持するオレキシンをブロックし、過剰な覚醒を抑えることで、自然な睡眠をもたらします。従来の薬剤と作用機序が異なるため、他の薬剤を服用したときと比べ、寝つくときの感覚が異なると感じられることがあります。
 また、切り替え時に前薬を突然中止すると、反跳性不眠や退薬症候※1が発現するリスクがあります。
 この切り替えのリスクを軽減するためには、前薬を徐々に減量しながらベルソムラ®の投与を始める方法や、前薬減量後にベルソムラ®を開始する方法があります。
 治療上、ベルソムラ®に切り替える必要がある場合には、前薬と寝つくときの感覚が異なる可能性があること、また、一時的に不眠症状が悪化する可能性があることを事前に患者に説明しておくことが重要です。

※1 不安・焦燥、振戦、発汗、悪夢、せん妄、けいれんなど

<用法・用量に関連する使用上の注意>(抜粋)
他の不眠症治療薬と併用したときの有効性及び安全性は確立されていない。





ベルソムラ®の禁忌を含む使用上の注意等についてはD.I.をご参照ください。